デザインもとっても重要だけど機能もしっかり押さえておこう!
スキー・スノーボード用のウェアを選ぶ際に一番気になるのはデザインという人も多いと思います。しかし時に想像を超える天候の変化を見せるゲレンデでは機能面もとっても大切です。
今回はウェア選びの時に役立つ機能面で注意すべきポイントをご紹介します。
性能の基本は耐水性と透湿性
雪の上でのスポーツですから、やはり雪の上に座ったりしたときに雪が解けてしみ込んできては困ります。また安いビニール合羽のように着たときに通気性がほぼゼロになってサウナスーツのようになってしまっては逆に汗が冷えて体温を下げることになってしまいます。水を寄せ付けない「耐水性」と体から出る汗や水蒸気を外に逃がす「透湿性」をしっかり理解しておくことが大切です。
耐水性:外からの雪や雨をどれだけしみ込ませずに、しかも快適にいられるかを数値で表したもの。
透湿性:ウェアの中でかいた汗をどれだけ体温を奪わないように外に出すか。
が重要です。
耐水性の数値
耐水性は生地がどれだけの水圧に耐えられるかという耐水圧で表します。単位は(Water Proof)はmm(ミリメートル)で表します。この数値が高いほど水がしみ込みにくいという事になります。
下の画像はとあるウェア素材の説明図ですが、耐水性は20,000㎜となっています。20,000㎜とは20m(メートル)を表しています。これはウェアの生地1cm四方が20mの高さの水圧をかけてもしみ込んでこないという意味を表しています。
では、この耐水圧どれくらい必要かということですが、傘の耐水圧はだいたい500㎜前後といわれています。傘は体から距離もありますので良いですが、ウェアは体に密着しているため、内側に少しでも水が入ってくれば一気に体が冷えてしまいます。
5,000㎜で小雨や小雪を凌ぐ程度で塗れた椅子や雪の上に少し座っているとだんだん冷たさを感じてきます。
10,000㎜程度で雪の上に座っていても短時間であれば問題ない程度です。
20,000㎜程度あれば長時間雪の上に座っていてもまず雪が解けてその水が入ってくるような事はないといわれています。
また雪が降った後に体に積もった雪が解けてきた場合、耐水圧が低いものはどこかに溜まりができていると風圧などでもしみ込んできてしまう場合があります。5,000㎜や10,000㎜の場合は別途防水スプレーなどが必要かもしれません。(防水スプレーは必ず着る前に吹きかけて、一定時間置いてからウェアを着用しましょう。)
透湿性と必要な数値
透湿性(Breathability)は1㎡あたり、24時間で何gの水蒸気を透過させたかを示した数値です。例えばと透湿性5,000gという表記があった場合は24時間で1㎡あたり5kgの汗を外に出す能力があるといいます。
スキーやスノーボードの発汗量の目安として体質や気温などによって変わるものの1時間あたり500g前後あるといわれています。この透湿性が悪いウェアですと、ウェア内にこの分の水蒸気がこもり、やがて冷やされて水分となってウェアの中に残って、不快感が増していくでしょう。
人それぞれ発汗量は大きく異なるので一概には言えませんが、8,000g程度の透湿性があるとよいといわれています。より汗をかく人は10,000g以上必要になるでしょう。こればかりは実際に滑ってみないとわからない部分もあります。滑ったときにウェア内から水蒸気が抜けていきにくく水滴がつくようなら、より高い透湿性が求められます。
耐水性、透湿性ともに高いものがもちろん良いですが、当然どちらも価格に反映されてきます。
様々なブランドで違う耐水性と透湿性
よく「最強」といわれているGORE-TEXですが、この耐水性は40,000mm以上で、透湿性も13,500以上とされています。ゴアテックスは様々なメーカーにより採用されていて主にバックカントリーやへりスキーなど、エクストリームな環境で滑るスキーヤー・スノーボーダーに愛用されています。
メーカーでは、ノースフェイス、パタゴニアなどが有名かもしれません。
コロンビアが採用しているOMNI-TECHも有名です。こちらの耐水性は20,000mmで透湿性は10,000gです。ゴアテックスと比べても安価であり、高い防水性能と透湿性を備えているために人気です。
日本のTORAY(東レ)が開発したDermizaxも有名です。耐水性は20,000㎜以上で透湿性も10,000以上とオムニテックと同等の性能を誇っています。
他にも様々なテクノロジーが沢山あります。特に登山系のものや、ヘリーハンセンのように海洋から来たテクノロジーも現在ではスキー・スノボのウェアとして使われています。その性能をよく比較してみましょう。
性能は落ちてくる
ちなみに、これらテクノロジーはゴアテクスやオムニテックのように素材自体がその性能を持っているものと、単にコーティングによって実現しているものとがあります。
コーティングしているものについては何度も洗濯に出すとその性能が落ちるスピードが速いという事も覚えておくとよいでしょう。もちろん洗濯だけでなく経年劣化による機能の体かも否めません。
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